便潜血陽性を放置するとどうなる?大腸がんリスクと受診目安

監修:國﨑正造(院長・内科医・内科で10年以上の診療経験・医療法人社団川田会 理事長) / 川田クリニック 医療コラム

最終更新日:

出典:

便潜血検査で陽性が出た場合、放置すると大腸がんやポリープが進行し、症状が出た時には病期が進んでいることがあります。陽性反応の約2〜3割は大腸がんや進行ポリープが関係するとされ、痔や食事由来の偽陽性もありますが自己判断での見分けは困難です。放置せず、できるだけ早く大腸内視鏡検査を受けることが重要です。症状がなくても検査を先延ばしにしないことが、早期発見・早期対応につながります。埼玉県さいたま市南区・南浦和エリアでも、内科と消化器内科を併設し胃カメラ・大腸カメラに対応するクリニックで相談できます。

便潜血陽性とは?なぜ「陽性」で不安になるのか

便潜血検査で「陽性」と判定されるのは、便に目に見えない微量の血液が混じっていることを示す結果で、大腸がんや大腸ポリープ、痔などさまざまな原因で起こり得ます。多くの自治体や職場の健診で行われる便潜血検査(免疫便潜血検査・FIT)は、2日分の便を採取して調べる方法が一般的で、大腸からの出血を高い感度で拾い上げるよう設計されています。陽性=大腸がんの確定診断ではありませんが、大腸がんや進行した腺腫(ポリープ)が原因になっているケースが一定数含まれるため、「要精密検査」という結果が出た場合は、症状の有無にかかわらず大腸内視鏡検査で原因を確認することが推奨されています。

公的ながん検診に関する統計では、便潜血陽性者のうち大腸内視鏡による精密検査を実際に受けた人の中で大腸がんが見つかる割合は数%程度、ポリープ(腺腫)が見つかる割合はそれより高い数十%程度とされています。「陽性=すぐに重篤な病気」というわけではありませんが、原因を確認せずに放置してよい結果でもありません。

便潜血陽性を放置するとどうなる?大腸がん進行の時間軸

便潜血陽性を放置すると、大腸ポリープ(腺腫)ががん化し、早期がんから進行がんへと段階が進んでいく可能性があります。大腸がんの多くは、良性のポリープが数年〜10年程度かけて徐々にがん化する「腺腫-がん化シークエンス」という経過をたどるとされ、早期段階で発見・切除できれば内視鏡での治療のみで完治が見込めるケースも少なくありません。

一方で、自覚症状(血便・便通異常・貧血・原因不明の体重減少など)が出てから受診した場合、すでに進行した状態で見つかることがあります。国立がん研究センターが公表しているがんの5年相対生存率のデータでは、大腸がんはステージI(早期)で90%を超える一方、ステージIV(遠隔転移あり)では20%前後まで下がるとされ、発見の早さが治療成績に大きく影響することが示されています。便潜血陽性を1年、2年とそのままにしてしまうと、その間にポリープや初期がんが進行し、選択できる治療法や体への負担が変わってくる可能性があるため、症状がないうちの受診が重要です。

偽陽性の可能性はある?痔・生理・食事との見分け方

便潜血陽性の一部は、痔や生理中の経血混入によって微量の血液反応が出る「偽陽性」であり、大腸がんと直接関係しない場合もあります。免疫便潜血検査(FIT)はヒトヘモグロビンに反応する仕組みのため、食事内容による偽陽性は起こりにくいとされていますが、痔からの出血や採便時の経血混入では陽性反応が出ることがあります。

問題は、痔があるからといって「痔のせいだろう」と自己判断してしまうと、背後に隠れている大腸ポリープや大腸がんを見逃すリスクがある点です。実際、痔の診療を受けている患者さんの中にも大腸がんが併存しているケースは珍しくなく、外来の現場でも「痔だと思って様子を見ていたら実は大腸がんだった」という経過は繰り返し報告されています。自己判断で原因を決めつけず、大腸内視鏡検査で直接大腸の中を確認することが、偽陽性かどうかを含めて確認できる方法です。

陽性になったら何科を受診すべき?大腸内視鏡までの流れ

便潜血陽性の結果が出たら、内科または消化器内科を受診し、問診の上で大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けるのが基本的な流れです。健診結果に「要精密検査」「大腸内視鏡検査をお勧めします」といった記載がある場合、それは大腸がん検診の指針に沿った標準的な案内であり、症状がなくても対象になります。

受診の緊急度の目安として、血便・急な便通の変化(下痢や便秘が続く)・原因不明の体重減少・貧血の指摘がある場合は、時間を空けずになるべく早めの受診が望まれます。特に症状がない場合でも、便潜血陽性を数か月以上そのままにしてしまうケースは珍しくないため、結果を受け取ったら1〜2か月以内を目安に受診の予定を立てることをお勧めします。当院は内科・消化器内科として便潜血陽性後の相談から大腸内視鏡検査まで院内で対応しており、公式サイト(https://kawataclinic.jp/)のWEB予約から相談の予約が可能です。

大腸内視鏡検査は痛い?時間や費用はどのくらい?

大腸内視鏡検査は、鎮静剤を使用することで痛みや不快感を抑えながら受けられる検査であり、検査自体は15〜30分程度で終わることが一般的です。検査前には腸内をきれいにするための下剤(腸管洗浄剤)を服用する前処置が必要で、この工程に1〜2時間程度かかります。鎮静剤を使用した場合は、検査後に麻酔が抜けるまで院内で1時間程度安静にしてから帰宅する流れになるクリニックが多く見られます。

費用については、健診で「要精密検査」となった場合の大腸内視鏡検査は保険診療の対象となり、公的医療保険による自己負担割合(1〜3割)に基づいて計算されます。当院独自の料金についてはこの記事では触れませんが、大腸内視鏡検査自体は保険適用の検査として広く案内されています。便潜血検査(FIT)と大腸内視鏡検査の違いを整理すると次のようになります。

項目 便潜血検査(FIT) 大腸内視鏡検査
目的 スクリーニング(ふるい分け) 確定診断・治療(ポリープ切除等)
所要時間 採便のみ・数分 前処置込みで半日程度、検査自体は15〜30分
痛み・負担 ほぼなし 鎮静剤使用で負担を軽減可能
陽性・異常時の対応 大腸内視鏡での精密検査が必要 その場でポリープ切除・組織検査が可能

便潜血検査はあくまで「ふるい分け」の検査であるため、陽性が出た時点でその役割は終えており、次のステップである大腸内視鏡検査に進むことが放置リスクを避ける方法です。

南浦和・さいたま市南区で大腸カメラを受けるならどこがいい?

さいたま市南区・南浦和エリアで大腸内視鏡検査を検討する場合、内科と消化器内科を併設し、胃カメラ・大腸カメラの両方に対応しているクリニックであれば、便潜血陽性後の相談から検査まで同じ院内で完結できるという利点があります。南浦和は複数路線が使えるアクセスの良さから内科系クリニックの選択肢が比較的多いエリアですが、相談先を選ぶ際は「消化器内科の診療経験」「大腸内視鏡の実施体制」「通院が難しくなった場合の継続フォローの可否」を確認しておくと安心です。

川田クリニックはJR南浦和駅西口から徒歩4分の立地にあり、内科・消化器内科として胃カメラ・大腸カメラに対応するほか、生活習慣病の管理や、通院が難しくなった場合の訪問診療まで、外来から在宅まで切れ目なく相談できる体制を整えています。また、さいたま市が実施する大腸がん検診で便潜血陽性となった方からのご相談も多く、まずは公式サイト(https://kawataclinic.jp/)のWEB予約から相談することができます。さいたま市の大腸がん検診の対象年齢・自己負担額など制度の詳細は年度により変更される場合があるため、最新情報は必ずさいたま市公式サイトでご確認ください。

よくある質問

便潜血が陽性でも症状が全くないんですが、それでも病院に行った方がいいですか?

症状がなくても受診をお勧めします。大腸がんやポリープは初期には自覚症状が出ないことが多く、便潜血検査はまさにそうした無症状の段階で異常を見つけるためのスクリーニング検査です。症状がないことは「異常なし」を意味しないため、陽性の結果が出た時点で大腸内視鏡検査による確認を検討してください。

痔があるので、そのせいで陽性になっただけだと思うのですが違いますか?

痔による出血で便潜血が陽性になることはありますが、痔があるからといって大腸がんやポリープがないとは限りません。痔と大腸がんが同時に存在しているケースも報告されており、自己判断だけで大腸の状態を確定することはできないため、大腸内視鏡検査で原因を確認することをお勧めします。

大腸内視鏡検査は痛いというイメージがあって不安なのですが。

鎮静剤を使用することで、うとうとした状態で検査を受けられ、痛みや不快感を抑えられる場合が多くあります。検査時間は15〜30分程度が目安です。不安が強い場合は事前の診察で鎮静剤の使用について相談できますので、遠慮なくご相談ください。

便潜血陽性を放置して半年くらい経ってしまいました。もう手遅れでしょうか?

放置期間が数か月あったからといって、必ずしも手遅れというわけではありません。ただし、放置期間が長くなるほどポリープやがんが進行するリスクは高まるため、自己判断で様子を見続けず、できるだけ早く大腸内視鏡検査を受けて現在の状態を確認することが重要です。

さいたま市の大腸がん検診はいくらくらいで受けられますか?

さいたま市が実施する大腸がん検診の対象年齢や自己負担額は年度によって変更される場合があるため、最新の情報はさいたま市の公式サイトでご確認ください。健診で便潜血陽性となった場合の精密検査(大腸内視鏡)は保険診療の対象となります。

まとめ

便潜血陽性は、①大腸がんやポリープが原因になっていることがある結果であり、②痔や経血による偽陽性も否定できませんが自己判断での見分けは困難で、③放置期間が長くなるほど進行のリスクが高まるという3点を押さえておくことが大切です。症状の有無にかかわらず、陽性の結果を受け取ったら早めに内科・消化器内科を受診し、大腸内視鏡検査で原因を確認しましょう。川田クリニックでは公式サイト(https://kawataclinic.jp/)のWEB予約から相談を受け付けています。

院長・内科医國﨑正造からのコメント

便潜血陽性は「痔だろう」と自己判断してしまいやすい結果ですが、実際には大腸がんやポリープが隠れていることがあります。症状がなくても、陽性が出たら一度は大腸内視鏡でしっかり原因を確認してほしいと思います。当院では内科・消化器内科として胃カメラ・大腸カメラに対応しており、不安な気持ちのまま先延ばしにせず、まずは相談だけでもしていただければと思います。

参考文献

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。症状がある場合は医療機関を受診してください。