訪問診療とは?費用の内訳と月額目安をさいたま市南区の医師が解説
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監修:國﨑正造(院長・内科医・内科で10年以上の診療経験・医療法人社団川田会 理事長) / 川田クリニック 医療コラム
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訪問診療とは、通院が難しい方のご自宅へ医師が定期的に訪問し診察する、医療保険に基づく診療です。費用は自己負担1割の方で月6,000〜1万5,000円程度が目安(訪問回数・処置内容で変動)。埼玉県さいたま市南区の川田クリニックが、費用の内訳、頻度別シミュレーション、医療費控除の実務手順まで解説します。
訪問診療とは?往診との違いをわかりやすく解説
訪問診療とは、寝たきりや通院困難な方のご自宅・施設に医師が計画的・定期的に訪問して診察や処置を行う、医療保険制度に基づく診療のことです。あらかじめ「月2回」「隔週」などの訪問スケジュールを決めて継続的に診る点が特徴で、体調急変時にその都度呼ぶ「往診」とは制度上区別されます。
対象となるのは、脳血管疾患の後遺症、神経難病、認知症の進行、寝たきり状態などにより独歩での通院が困難な方が中心です。要介護認定を受けていることは必須条件ではなく、医師が「通院が困難」と判断すれば訪問診療の対象になり得ます。
- 訪問診療:計画的・定期的(月1〜4回程度が一般的)
- 往診:症状悪化時など不定期の要請に応じて訪問
費用面でも算定される診療報酬の項目が異なるため、まず両者の違いを理解しておくことが、次章以降の費用の内訳を読み解くうえで重要です。
訪問診療の費用はいくらかかる?月額の目安
訪問診療の月額費用は、医療保険の自己負担割合(1〜3割)と訪問回数によって決まり、1割負担・月2回訪問の場合でおおむね月6,000〜8,000円程度、週1回程度(月4〜5回)で処置を伴う場合は1万2,000〜1万5,000円程度が目安です。3割負担の方はこの単純計算で約3倍になります。
この金額は「基本診療費(訪問診療料)」と「管理料(在宅時医学総合管理料など)」の合計に、実施した処置・検査があればその点数を加えたものです。診療報酬は1点=10円で計算され、2年に一度の診療報酬改定で点数が見直されるため、あくまで目安として捉えてください。
後期高齢者医療制度の対象となる75歳以上の方は原則1割負担(一定以上所得者は2〜3割)となるケースが多く、実際の負担額は加入している医療保険の種類や所得区分によって変わります。正確な自己負担割合は、お手元の保険証・後期高齢者医療被保険者証でご確認ください。
訪問診療費用の内訳は?基本診療費と管理料
訪問診療費用の内訳は大きく分けて「基本診療費(在宅患者訪問診療料)」「管理料(在宅時医学総合管理料等)」「処置・検査・薬剤の費用」の3つで構成され、この合計額に自己負担割合をかけたものが実際の支払額になります。
主な内訳項目は次のとおりです。
| 項目 | 内容 | 算定頻度の目安 |
|---|---|---|
| 基本診療費(訪問診療料) | 医師が訪問して診察を行うこと自体への診療費 | 訪問1回ごと |
| 管理料(在宅時医学総合管理料等) | 療養計画の作成・継続的な健康管理への評価 | 月1回(月の訪問回数等で点数が変動) |
| 処置・検査費 | 点滴、褥瘡処置、採血、心電図など実施した内容に応じて加算 | 実施の都度 |
| 薬剤費 | 処方した薬剤の実費相当分 | 処方の都度 |
管理料は、単一建物(同じ集合住宅等)に居住する患者数や、月の訪問回数、重症度によって点数が細かく分かれる仕組みになっており、同じ「月2回訪問」でも状態によって金額に差が出る点は覚えておくとよいでしょう。
訪問頻度で費用はどう変わる?月2回・週1回の月額シミュレーション
訪問頻度が増えるほど月額費用は上がりますが、比例して単純に倍増するわけではなく、管理料部分の点数構成が変わるため、月2回から週1回に増やしても費用は2倍未満に収まるケースが一般的です。以下は1割負担の方を想定した目安です。
| 訪問頻度 | 想定される状態像 | 月額自己負担の目安(1割負担) |
|---|---|---|
| 月1回 | 状態が比較的安定している方 | 4,000〜5,000円程度 |
| 月2回 | 慢性疾患の定期管理が必要な方 | 6,000〜8,000円程度 |
| 週1回(月4〜5回) | 処置・観察の頻度を上げる必要がある方 | 1万2,000〜1万5,000円程度 |
※上記は医療保険適用分の目安であり、往診の追加、休日・深夜の訪問、特別な処置(在宅酸素療法や褥瘡処置など)が加わると別途費用が発生します。実際の金額は主治医からの説明・明細書でご確認ください。
ご家族が費用を試算する際は「今の状態で月何回の訪問が必要か」を主治医に確認したうえで、上記の表を目安として月々の支出感をイメージしていただくのがおすすめです。
医療保険と介護保険、訪問診療の費用はどちらが安い?
訪問診療(医師の診察)は医療保険、訪問看護やヘルパーによる生活援助は主に介護保険(要介護認定を受けている場合)が適用される、という役割分担があり、単純に「どちらが安い」で比較するものではなく、目的によって使い分けるのが正しい理解です。
医師による診察・処置は医療保険の訪問診療でしか受けられませんが、清拭や入浴介助、リハビリなど生活面の支援が中心の訪問看護は、要介護認定を受けていれば介護保険の対象になり、自己負担は1回あたり800円前後(1割負担の場合)が目安です。
| 制度 | 主な内容 | 自己負担の目安 |
|---|---|---|
| 医療保険(訪問診療) | 医師による診察・処置・薬剤管理 | 1割負担で月6,000円〜1万5,000円程度 |
| 介護保険(訪問看護) | 看護師によるケア・生活支援(要介護認定が必要) | 1割負担で1回800円前後 |
なお、末期がんや厚生労働大臣が定める疾病など一部のケースでは、要介護認定を受けていても訪問看護が医療保険の対象になる例外もあります。どちらの制度が適用されるかはケアマネジャーや訪問看護ステーションに確認するのが確実です。
さいたま市南区・南浦和エリアで訪問診療を選ぶには
さいたま市南区・南浦和エリアで訪問診療先を選ぶ際は、①内科的な慢性疾患の管理に対応できるか、②胃カメラ・大腸カメラなど消化器系の検査が必要になった際に外来と連携できるか、③夜間・急変時の連絡体制があるか、の3点を確認すると失敗が少なくなります。
南浦和駅周辺は内科・訪問診療に対応するクリニックが複数あり、選択肢として比較検討しやすいエリアです。ご自宅や施設からの距離、対応疾患の範囲、外来診療との連携体制などを踏まえて選ぶとよいでしょう。
地域の選択肢の一つとして、JR南浦和駅西口徒歩4分に位置する川田クリニックでは、消化器内科(胃カメラ・大腸カメラ)を含む外来診療と訪問診療を同一法人内で継続して行っており、神経内科専門医の常勤医師も在籍しています(訪問診療にも対応)。外来通院が難しくなった段階で訪問診療へ移行する際も、それまでの診療経過を踏まえて相談しやすい点が特徴です。
なお2024年度の診療報酬改定以降、在宅医療の体制を強化する加算項目が新設・拡充されており、対応状況は医療機関によって異なります。訪問診療先を検討する際は、各クリニックに直接お問い合わせのうえご確認ください。
医療費控除は使える?申請の実務手順
訪問診療でかかった医療費は医療費控除の対象になり、1年間(1月〜12月)に支払った医療費の自己負担合計額が10万円(総所得金額等が200万円未満の方はその5%)を超えた部分について、確定申告で所得控除を受けられます。控除額の上限は200万円です。
申請の実務手順は次のとおりです。
- 訪問診療の領収書・明細書を1年分保管する(紛失しないよう月ごとにファイリングしておくと便利)
- 「医療費控除の明細書」を作成する(国税庁の様式・e-Taxでも作成可)
- 同一生計の家族の医療費(訪問診療費に加え、通院時の交通費・介護保険の医療系サービス利用料の一部も対象になり得る)も合算する
- 確定申告書とあわせて税務署へ提出、またはe-Taxで送信する
通院が困難な方向けのタクシー代など、訪問診療そのもの以外の費用が控除対象に含まれるかどうかはケースにより判断が分かれるため、不明点は最寄りの税務署または税理士に確認することをおすすめします。
訪問診療を始めるタイミングと相談の流れ
訪問診療を始めるタイミングに明確な基準はありませんが、目安としては「通院1回あたりの身体的負担が大きくなってきた」「通院のたびに転倒リスクや体調悪化が心配になる」と感じ始めた段階で、かかりつけ医やケアマネジャーに相談するご家庭が多い傾向にあります。
一般的な相談の流れは、①かかりつけ医または訪問診療対応クリニックへの相談、②医師による状態確認・訪問診療の適応判断、③訪問スケジュール(頻度)の決定、④訪問診療の開始、という順序で進みます。要介護認定を受けていない場合でも相談自体は可能です。
費用面で不安がある場合は、契約前に想定される訪問頻度と月額の目安を確認しておくと、開始後のイメージのずれを防げます。ご本人・ご家族だけで抱え込まず、通院が負担になり始めた早い段階で医療機関に相談することが、結果的に無理のない費用感での在宅療養継続につながります。
公式サイトのWEB予約から外来相談の申し込みが可能です。訪問診療への切り替えをご検討の方も、まずは外来でのご相談から始めていただけます。
よくある質問
訪問診療は保険証がないと受けられないの?
訪問診療は医療保険の適用診療のため、健康保険証(またはマイナ保険証)は必要です。75歳以上の方は後期高齢者医療被保険者証が対象になります。生活保護受給中の方など保険証をお持ちでない場合の取り扱いは自治体窓口にご確認ください。介護保険証の有無は訪問診療そのものの利用条件ではありません。
訪問診療の費用は医療保険と介護保険どちらで払うの?
医師による診察・処置は医療保険が適用されます。介護保険は訪問看護やヘルパーなど生活面のケアに主に使われる制度で、役割が異なります。ご家族の状態によっては両方の制度を組み合わせて利用するケースも多く、詳しい組み合わせ方はケアマネジャーに相談すると整理しやすくなります。
月々の費用が急に上がることはある?
体調悪化で処置内容が増えたり、訪問回数を月2回から週1回に増やしたりすると、その分の点数が加算され費用は上がります。また2年に一度の診療報酬改定で点数自体が見直されることもあります。費用が変わる際は事前に医療機関から説明があるのが一般的です。不明な点はその都度確認しましょう。
往診と訪問診療、どちらを頼めばいいの?
発熱や急な体調不良など単発の対応が必要なときは往診、継続的に体調管理をしてほしいときは訪問診療が向いています。すでに訪問診療を受けている方は、契約中の医療機関に急変時の往診対応が含まれているか確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
さいたま市の健診・検査費用の助成は訪問診療でも使える?
自治体の健診・検査助成制度は対象年齢や実施場所などの要件が年度ごとに変わることがあり、訪問診療での利用可否も制度によって異なります。最新の対象要件・助成内容はさいたま市公式サイトで必ずご確認のうえ、詳細はかかりつけ医または市の担当窓口にお問い合わせください。
まとめ
訪問診療は、通院困難な方のご自宅へ医師が定期的に訪問する医療保険制度です。要点は3つ。①費用は自己負担1割の場合で月6,000〜1万5,000円程度が目安、②内訳は基本診療費・管理料・処置費で構成され訪問頻度で変動、③医療費控除の対象にもなり得ます。まずはかかりつけ医や地域の訪問診療対応クリニックに、想定される訪問頻度と費用感を相談することから始めましょう。
参考文献
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。症状がある場合は医療機関を受診してください。
院長・内科医國﨑正造からのコメント