健康診断の再検査を放置するとどうなる?リスクと受診の目安|南浦和

監修:國﨑正造(院長・内科医・内科で10年以上の診療経験・医療法人社団川田会 理事長) / 川田クリニック 医療コラム

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健康診断で「要再検査」「要精密検査」と判定された場合、自覚症状がなくても放置は避けるべきです。血圧・血糖・脂質などの数値異常や便潜血陽性は、動脈硬化や大腸ポリープなど自覚症状が出にくい段階で見つかった重要なサインだからです。多くの検査項目では、再検査までの期間が空くだけでも状態が進行するケースがあり、早期であれば投薬や生活改善、内視鏡治療などで対応できる範囲も広がります。まずは指定された期限内に、かかりつけ医や近隣の医療機関で再検査の予約を取ることが第一歩です。

健康診断の「要再検査」「要精密検査」は放置してもいい?

結論として、健康診断で「要再検査」「要精密検査」の判定が出た場合、自覚症状がなくても放置は避けるべきです。健康診断の判定区分は日本人間ドック学会などの基準に沿って「異常なし」から「治療中」まで分類されており、要再検査・要精密検査は「数値に異常があり、放置すると病状が進行する可能性がある」という医学的な注意喚起にあたります。

自覚症状が出た時点ではすでに病気が進行していることも多く、症状のない段階で見つかった異常こそ、健康診断・検診の本来の役割です。判定通知に記載された期限(多くの健診機関で1〜3か月以内が目安)を過ぎると、そのまま翌年の健康診断まで放置されやすくなる傾向があります。まずは通知を受け取ったその週のうちに、再検査先の予約を入れることをおすすめします。

検査項目別「放置」のリスクとは?血液・便潜血・エコー・胃X線を解説

健康診断で異常を指摘される項目は血液検査・便潜血検査・腹部エコー・胃X線検査など多岐にわたり、それぞれ放置した場合に進行しうる病気や目安となる期間が異なります。血圧・血糖・脂質は動脈硬化を通じて心筋梗塞や脳卒中のリスクを、便潜血陽性は大腸ポリープや大腸がんの可能性を、腹部エコーや胃X線の異常は肝臓・胆のう・胃の病変を示唆します。

以下、主要な項目ごとに放置した場合のリスクと、一般的な進行の目安を解説します。数値はいずれも学会等が示す一般的な基準・目安であり、個々の状態は医師の診察・検査で確認が必要です。

血圧・血糖・脂質(血液検査)の異常を放置すると

日本高血圧学会の基準では収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上が高血圧、日本糖尿病学会の基準ではHbA1c6.5%以上が糖尿病型、日本動脈硬化学会の基準ではLDLコレステロール140mg/dL以上が脂質異常症の目安とされています。

これらはいずれも自覚症状がほとんど出ないまま、血管の内側にコレステロールなどが蓄積し動脈硬化を進行させる項目です。数値異常を数年単位で放置すると、心筋梗塞・脳梗塞・腎機能低下といった合併症のリスクが高まるとされる一方、早期の段階で生活習慣の見直しや投薬治療を始めれば、進行を抑えられる可能性が高まります。「今は元気だから」という自己判断だけで再検査を先延ばしにせず、まずは数値の推移を確認することが重要です。

便潜血検査が陽性だったら

便潜血検査は大腸からの微量な出血を検出する検査で、陽性となった方が大腸内視鏡検査を受けた場合、大腸ポリープ(腺腫)が見つかる割合はおおむね数十パーセント程度、大腸がんが見つかる割合はおおむね数パーセント程度とされています。

便潜血陽性の原因の多くは痔などの良性疾患ですが、大腸ポリープの一部ががん化するまでには一般に数年から10年程度の時間がかかるとされ、この間に内視鏡検査でポリープを切除できれば大腸がんの予防につながる可能性があります。「痔だと思うから」と自己判断で再検査を見送るケースは少なくありませんが、便潜血陽性を放置している間もポリープの進行に自覚症状はほとんど出ません。陽性判定が出たら、症状の有無にかかわらず大腸カメラでの精密検査を受けることが推奨されます。

腹部エコー・胃X線検査で異常を指摘されたら

腹部エコー検査では肝臓・胆のう・膵臓・腎臓などの臓器の形状異常(脂肪肝、胆のうポリープ、腎のう胞など)が、胃X線検査(バリウム検査)では胃粘膜の変形や陰影が指摘されることがあります。これらの多くは良性の所見ですが、中には胃がんや胆のうがんなど精密検査が必要な病変が含まれている場合があり、画像検査だけでは良性・悪性の区別がつきません。

特に胃X線検査で「要精密検査」となった場合は、胃カメラ(上部内視鏡検査)で粘膜を直接観察し、必要に応じて組織を採取する生検を行わないと確定診断がつかない点が、血液検査の再検査との大きな違いです。

「要精密検査」と言われたら、実際どんな検査に進むの?

「要精密検査」の通知を受けた場合、次に進む検査は指摘された項目によって異なり、便潜血陽性や胃X線異常であれば大腸カメラ・胃カメラなどの内視鏡検査、腹部エコー異常であれば造影CTや追加のエコー検査、血液検査の異常であれば心電図・頸動脈エコーなど動脈硬化の程度を調べる検査が一般的です。

多くの場合、まず内科・消化器内科を受診し問診・診察を受けたうえで、必要な検査の種類と、その医療機関で実施できるか(大学病院・専門施設への紹介が必要か)が決まります。胃カメラ・大腸カメラは、鎮静剤使用の有無や検査当日の食事制限(大腸カメラは前日から低残渣食・下剤の服用が必要になることが一般的です)など事前準備が必要なため、要精密検査の通知を受けたらまず医療機関に電話やWEB予約で相談し、検査の流れと準備物を確認することをおすすめします。

当院のように問診から内視鏡検査まで院内で対応できる医療機関であれば、大きな病院を受診し直す手間や紹介状の予約待ちの時間を減らせる場合があります。

再検査・精密検査の費用はどれくらいかかる?(保険診療の目安)

再検査・精密検査の費用は、健康保険が適用される検査であれば自己負担割合(多くの方は3割)に応じた保険診療の点数で決まり、自由診療である健康診断そのものとは異なり、病気の疑いに対する検査として原則保険適用の対象になります。血液の再検査であれば数千円程度、胃カメラ・大腸カメラは検査内容によって幅がありますが、生検(組織採取)やポリープ切除の有無で自己負担額が変わります。

以下はあくまで一般的な保険診療点数に基づく目安であり、実際の金額は検査内容・使用する薬剤・医療機関によって異なるため、受診時に必ず窓口でご確認ください。

検査内容 自己負担目安(3割負担の場合) 備考
血液検査の再検査 1,000円〜3,000円程度 検査項目数により変動
胃カメラ(内視鏡) 4,000円〜6,000円程度 生検ありは8,000円〜12,000円程度
大腸カメラ(内視鏡) 5,000円〜10,000円程度 ポリープ切除ありは15,000円〜20,000円程度
腹部エコー 1,500円〜2,500円程度 部位・範囲により変動

上記はいずれも一般的な保険診療点数から算出した目安であり、当院を含む個別の医療機関の確定金額ではありません。また、さいたま市が実施する特定健診・各種がん検診の自己負担額や対象年齢は年度により変更されることがあるため、最新の情報はさいたま市公式サイトでご確認ください。

忙しくて後回しにしがちな人へ ― 受診のハードルを下げる方法は?

仕事や家事・育児が忙しく再検査を後回しにしてしまう場合は、平日夜間診療や土曜診療、WEB予約を活用して受診のハードルを下げる方法があります。多くのクリニックでは平日日中だけでなく夕方以降や土曜午前に外来枠を設けており、事前にWEB予約サイトで空き状況を確認してから来院すれば、待ち時間を抑えつつ通院の負担を減らせます。

また、胃カメラ・大腸カメラのように事前準備が必要な検査は、初診時はまず相談のみを行い、検査自体は都合の良い別日に予約するという分割受診も可能です。「まとまった休みが取れないと受けられない」と考えて先延ばしにするのではなく、まずは相談だけでもWEB予約で済ませてしまうことが、放置期間を短くする現実的な一歩になります。

南浦和・さいたま市南区で再検査を受けられる医療機関はどう選ぶ?

南浦和・さいたま市南区エリアで再検査・精密検査先を選ぶ際は、①指摘された検査項目に対応できるか(血液検査のみか、胃カメラ・大腸カメラまで対応しているか)、②JR南浦和駅などからの通いやすさ、③WEB予約や平日夜間・土曜診療の有無、の3点を確認すると選びやすくなります。

特に便潜血陽性や胃X線異常で大腸カメラ・胃カメラが必要になった場合、内科のみのクリニックでは大学病院や専門施設への紹介となり、紹介状の作成や予約待ちで受診まで数週間〜1か月以上かかることも珍しくありません。内視鏡検査まで院内で対応できる医療機関であれば、初診から検査までの受診先を一本化でき、通院の負担を抑えられます。

選び方の視点 チェックポイント
対応できる検査の範囲 血液検査のみか、胃カメラ・大腸カメラまで院内で対応可能か
アクセス 最寄り駅からの距離・所要時間、駐車場の有無
予約のしやすさ WEB予約対応、平日夜間・土曜診療の有無
紹介の要否 精密検査で他院への紹介状が必要かどうか

川田クリニックはJR南浦和駅西口から徒歩4分に位置し、内科・消化器内科の外来に加えて胃カメラ・大腸カメラにも対応しており、外来から訪問診療まで継続してご相談いただける体制を整えています。

職場の健康診断担当者・産業医は「再検査未受診」にどう対応すべき?

労働安全衛生法では、事業者は健康診断の結果に基づき、必要と認める従業員について医師の意見を聴取し、就業上の措置を講じる義務(安全配慮義務)を負っています。再検査・精密検査の指示が出た従業員が受診しないまま放置された場合、万一健康被害が重篤化すれば、事業者の安全配慮義務違反が問われる可能性もゼロではありません。

そのため人事・総務の健康診断担当者や産業医は、要再検査者の受診状況を一覧化し、一定期間(多くの企業で1〜3か月程度が目安)を過ぎても未受診の従業員には個別に受診勧奨を行う運用が一般的です。受診勧奨の際は、本人のプライバシーに配慮しつつ、「なぜ受診が必要か」を数値の意味とともに伝えると行動につながりやすくなります。近隣に平日夜間・土曜診療やWEB予約に対応したクリニックがあることを案内リストに加えておくと、従業員が受診先を探す手間を減らせます。

川田クリニックでは要精密検査後、何ができる?

川田クリニックでは、内科の診察で健康診断の結果をご相談いただいたうえで、必要な場合は胃カメラ・大腸カメラを含む内視鏡検査まで院内で実施しており、「要精密検査」の判定を受けてから検査・結果説明・今後の方針の相談までを、大きな病院を経由せずに一つの医療機関で進められる体制を整えています。

内科での診療経験を重ねてきた院長が、健康診断の数値の見方から検査当日の流れ、生活習慣の見直し方まで、できるだけ平易な言葉でご説明することを心がけています。また訪問診療にも対応しているため、ご本人の通院が難しいご家族の健康診断結果についても、あわせてご相談いただけます。

健康診断で気になる判定が出た方は、公式サイト(https://kawataclinic.jp/)のWEB予約から外来のご予約をお取りください。

よくある質問

要再検査と要精密検査はどう違うの?

「要再検査」は、健康診断当日の数値だけでは異常か一時的な変動か判断できないため、同じ検査を改めて行い数値を確認する必要がある状態を指します。一方「要精密検査」は、数値や画像から病気の可能性が疑われ、内視鏡検査や画像検査など、より詳しい検査で原因を調べる必要がある状態です。呼び方は健診機関によって多少異なりますが、いずれも「経過観察でよいレベルではない」という点は共通しており、通知に記載された期限内の受診が推奨されます。

自覚症状がないのに再検査は必要ですか?

はい、必要です。健康診断で見つかる異常の多くは、高血圧・糖尿病・脂質異常症・初期の大腸ポリープなど、進行しても自覚症状が出にくい病気です。むしろ自覚症状が出た時点ではすでに病状が進んでいることが多いため、症状がない段階で数値の異常を確認し、必要な検査・治療につなげることが健康診断の本来の目的です。「元気だから大丈夫」という判断だけで再検査を見送らず、まずは医師に相談することをおすすめします。

再検査を放置するとどれくらいで悪化しますか?

項目や個人差によって大きく異なるため一概には言えませんが、たとえば大腸ポリープが大腸がんに進行するまでには一般に数年から10年程度かかるとされる一方、血糖値や血圧の異常は数年単位で動脈硬化を進行させるとされています。「すぐには変わらないから大丈夫」と考えて数年単位で放置すると、進行に気づいた時には治療の選択肢が狭くなっている可能性があるため、通知された期限内の受診が安全です。

再検査の費用は健康保険が使えますか?

はい、健康診断そのものは自由診療ですが、健康診断で指摘された異常を確認するための再検査・精密検査は、病気の疑いに対する検査として健康保険の対象になるのが一般的です。自己負担割合(多くの方は3割)に応じて、血液検査であれば数千円程度、胃カメラ・大腸カメラは内容に応じて数千円〜2万円程度が目安になりますが、実際の金額は検査内容や医療機関によって異なるため、受診時に窓口でご確認ください。

忙しくて平日に病院へ行けません。どうすればいいですか?

平日夜間診療や土曜診療、WEB予約に対応しているクリニックを探すと受診のハードルを下げられます。まずは相談だけでも受け、検査は別日にまとめて予約するという進め方も可能です。「まとまった時間が取れたら」と先延ばしにするより、短時間で済む初回相談だけでも早めに済ませておくことをおすすめします。

まとめ

健康診断で「要再検査」「要精密検査」と判定された場合、自覚症状がなくても放置せず、期限内に受診することが重要です。要点は3つ、①血圧・血糖・脂質・便潜血などの異常は自覚症状が出にくいまま進行しうること、②精密検査は保険診療の対象で費用の目安が事前に把握できること、③WEB予約や夜間・土曜診療を活用すれば忙しくても受診のハードルを下げられることです。まずは公式サイトのWEB予約から、気になる検査結果について相談してみてください。

院長・内科医國﨑正造からのコメント

健康診断の結果票を見て「たいしたことないだろう」と感じる方は多いですが、進行してから見つかる病気ほど自覚症状がない時期が長い、というのが臨床の実感です。当院では要精密検査の通知を受けた方が、次にどんな検査に進めばよいか迷わないよう、内科の診察から胃カメラ・大腸カメラまでできる範囲で院内でご案内しています。まずは数値の意味を一緒に確認するところから始めましょう。

参考文献

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。症状がある場合は医療機関を受診してください。